学校に着くと既に1時間目が終わる頃で、1時間目と2時間目の間にある休憩時間に、何事もなかったかの様に教室に入った。

3年生になると、時々推薦試験などで休む人もいる為、余り気にされてない様だった。


自分の席に着いて鞄を机の横に掛けると、何か妙な視線を感じて顔を上げた。その視線の先ににいたのは、岸本だった!!

ま、まさか・・・
あの場所に私がいた事に気付いた?


いや、でも、私は間違いなく岸本の姿が見えなくなってから動いたはずだ。

大丈夫、絶対に気付かれていない。


岸本は高山の2つ後ろの席で、私からは右斜め前の位置だ。私は岸本の背中を見詰めながら、必死に自分に言い聞かせた。

気付いているハズがない――と。


ただ・・・

犯人が岸本ではなく別の誰かで、あのコインロッカーを更に別の場所から監視していたとしたら――