「ななちゃん!」


ヤマトさんは時間通りに来た。



「私服も可愛いねんな!」

そんな一言にほっぺを染めながら居酒屋に向かった。




「お酒久しぶりです♪」

「もぉ〜!敬語やめて?多分俺のが年下やし…」

「えッ!???」


だってヤマトさんは…
背やって高いし,仕事して長そうやし…勝手に年上やと思ってた。



「ななちゃん…いくつ?」

「にじゅう!」

「俺18やで♪ななせ姉さん!」

「うっそぉぉぉ!!…え?学校は?」

「あ〜俺,高校行ってないから,中学卒業してからず〜っと働いてる!オヤジが社員やからコネでな!」




全然年下には見えない。

現に居酒屋の店員やって年齢確認しようとしなかったし。





あたしだけ,ずっと敬語使ってたことが何か悔しくて,お酒のペースを上げた。






くらくらする。



これぐらいが丁度いい。


物事なんかハッキリわからんほうが丁度いい。