「ヤマトさん!!!」

「はは!」


ヤマトさんは仕事帰りらしく,TシャツにGパンにキャップを被っただけのラフな格好なのに,すごくオシャレだった。


制服のヤマトさんしか見たことなかったけど,キャップからのぞく明るいえりあしと,優しい笑顔ですぐにわかった。


「消毒…えっと…」

「あ,七瀬です!」

「ななちゃん!消毒,後藤さんにしてもらいや?」

「はい!」


一緒にしゃがみこんでたヤマトさんは,あたしの頭をぽんぽんと撫でると立ち上がった。


「あの…ありがとうございます!!」

ヤマトさんはあたしのエプロンのポケットからはみ出てた注文書に自分の名前とアドレスを書いた。

「今日中に必着で!!」

ニカッと笑ったヤマトさんは,あたしを少しドキドキさせた。




注文書をにぎりしめたまま,しばらく背中を見つめてた。