「海月ちゃん!3千円の花束作ってもらってもいい〜?」

「はあい!」


今日は後藤さんと2人のシフトで,ほとんどしゃべりっぱなしだった。

「今日ひまやなあ。」

「ですねえ。まあ楽ですけど!」

「はよ終わらしてはよ帰るで♪」

「…後藤さん,デートっすかあ?」

「あったり〜♪今日記念日やからね!!」


後藤さんには5歳上の彼氏がいて,今日は1年記念日らしい。


「海月ちゃんは!?」

「え!??」

「彼氏〜!おるやろ?」

「…はい。一応。微妙なんですけど!」

「微妙?」

「なんか…他の子にとられそうで…。」

「海月ちゃん…。」


あたしは泣きそうになるのを抑えて笑った。


「そんな男別れ!海月ちゃん幸せなられへんわ!」

「…ですよね。」



その日は後藤さんとずっと恋バナで盛り上がった。


…ま,後半は後藤さんのノロケやったけど。



やっぱり年上だけあって説得力もあるし,これからは相談にのってもらおうと思った。








ガシャーン!!!!


その時,店の前で何かが割れる音がした。