「柚寿がほかのオトコのこと、下の名前でよんでるんもイヤやし、俺の名前呼ばれたか思てちがかったときに余計へこむやんか」

自信がないのか?
‥‥じゃあ。

「‥葉?」
小さくよんでみる。
「‥ん?」
ちょっとやさしい顔になってうながされた。

「いままでね、向こうもあたしのことわかんなかったかも知れないけど、あたしも向こうのこと、よくわかんなかったの」「‥うん」
「でもね、葉はちゃんとあたしが素直になるまできいてくれるし、あたしがきいたらちゃんとこたえてくれるから。そんな風にあたしと付き合ってくれた人なんてほかには誰もいなかったしこれからもいないから」


だから葉は安心してていいよ。

そうしめて見上げて笑うと、照れたような拗ねたような顔をしている。


「ずるいわそんなん」
「え?!」
「普段俺がゆわへんとぜんぶかかえたままのくせして」