「…愚かな国王よ。
息子など斬り捨てれば良い。
そうすればその命は助かったかもしれぬ。
…弱い人間を守るために命を捨てるなど…私には分かりかねるな、その心。
いや…知りたくもないと言った方が適切か。
…もう…聞こえぬ…か?」



にやりと気味悪く笑った顔も、忘れられない。
父上の血を被った蒼刃は、がくがくと震えていた。



「皇子よ。
お前のせいで、国王は死ぬのだ。
お前の弱さゆえに、死んだのだ。
お前さえいなければ…国王はこのような残酷な死に方をせずに済んだのだ。
…本来、このような死に方をしなくてはならなかったのはお前の方だった。違うか?」



その問いかけに蒼刃は答えない。
もう…何も聞こえていない。



「壊れたか、皇子よ。
もう…全て手遅れだ。
皇子、この世に別れを告げよ。」

「蒼刃っ!!」



僕は全身でそう叫んだ。
たとえ届かなくても…。











「タイム。」