* * *



「蒼刃は…?」

「今はよく眠ってる。
一応スリープもかけたし、安眠ってところかな?
苦しそうにもしてないよ。」

「良かった…。」

「それより星来はその左手、ちょっと見せて?」

「え…?」

「さっき蒼刃に突き飛ばされた時の…だね。手首が腫れてる。」

「あっ…こんなの大丈夫で…っ…!!」

「オレが触っただけでそんなに痛むんだったらダメだな、治療しないと。
さ、大人しく左手出してくれる?」

「…はい…。」

「それで…緑志。」

「…。」

「君の恐れていたことがやっぱり起きたっていう解釈でいいのかな?」

「…うん。多分ね。」

「恐れていたこと…?」

「…星来には話してなかったね。
僕がこの話をした時、星来は眠っていたから。」

「…恐れていたことって…なに…?」



僕が恐れていたこと…それは…。



「蒼刃の記憶が戻ること。」