＊　＊　＊


「桃依。おはよっ!!」

「あっ!!星来っ!!もう大丈夫なのっ？」

「うんっ!!ごめんね…心配かけて…。」

「ううんっ!!星来の元気な顔見れて嬉しい♪」

「あたしも…すごく嬉しいっ!!」


そう言ってあたしはぎゅっと桃依を抱きしめた。
桃依もぎゅっと抱きついてくる。
しばらく抱き合ったあと、お互い距離を置いてから、あたしは口を開いた。



「…新しい国…なんだよね？」

「うん。そーだよ。
…どうしたの？なんでそんな…。」

「なんだか…蒼刃の様子が…。」

「え？」

「蒼刃の国に着いたっていうのに全然…その…なんていうか…不安そうな顔してるの…。」

「星来…。」



この場所が蒼刃の生まれ故郷だということは、この前あたしが起きた時に蒼刃の口から聞いた。
でも…それ以上の詮索は許されなかった。
別に怒鳴られたわけでもなんでもないけど…。
無言のうちに蒼刃は言ってた。

『何も聞くな』と。

とても…不安そうな顔をしながら…。