理絵が由紀の話しているのを途中で遮り

「もういいから住んでいる所を、さっさと言って、御飯が遅くなるじゃない」

言われて由紀は

「ごめん、ごめん、住んでいる所は横浜で、歳は五十四歳です」

聞いていた紀恵お婆ちゃんが

「たして百八歳ね」

と言ったので、みんなは笑った。

しかし由紀は、なぜ笑っているのか分からない様子でポカンとしていた。

続いて理絵が

「私の旧姓は丸茂理絵で、今は結婚して神沢理絵です」

と話し出すと、隣で自己紹介を始めた理絵の背中越しに由紀が、勇太に小声で

「どうして、たして百八歳になったの」

と訊いているが、そんなことは、お構い無しに理絵は続けて

「歳は二十四歳で、趣味は結構たくさんあって、映画鑑賞、ドライブ、コンサート、から近頃はトレーニングジムにも通っているし、お花や、お茶も好きです」

すると、どうして百八歳になったのか、勇太から教えてもらった由紀が

「お花や、お茶は、下手の横好きだけどね」

と横槍を入れてきたが、理絵はそのまま続けて

「お母さんのお守りも、その中に入るかも知れません」

とやりかえすと、みんな大きく笑った。

理絵の自己紹介が終わり。最後に勇太が

「神沢勇太です。宇宙船のパイロットをしております。現在は詳しくは言えませんが新型宇宙船の操縦訓練をしております」