と言うので六人は、それぞれ自己紹介をすることにして、最初に言い出した大阪のおばあちゃんから始めた。

「私の名前は筒井紀恵です。大阪の河内長野という町に住んでいて歳は七十四歳になります。主人は六年前に他界して現在は独身です。子供も居ないので一人でのんびり暮らしております」

「大阪といっても住んでいる所は、けっこう田舎で、ここほどじゃないけど、山あり谷ありです。趣味は旅行で、若い頃に仕事で韓国に住んでいた事もあり、年に一度は韓国の友人に会いに行きます。良かったら、みなさんも韓国へ一緒に行って、一度、美味いもの巡りでもしませんか・・・以上です」

次に香川のお婆ちゃんが

「私は高津真知子と言います。香川県の丸亀市に住んでいて、自家栽培の米や野菜を使って料理屋をしています。料理屋をしているといっても料理を作るのは息子夫婦や娘たちで、私はもっぱら、お米や野菜を作る手伝いばかりです」

「歳は紀恵と同じで七十四歳、三人とも大学生時代の同級生です。私たちの主人は、みんな他界していて、だからこうして、けっこう自由に動けるのよ」

ちょっと首をかしげて

「でも、その中でも一番自由に暮らしているのは紀恵かな・・・悠々自適だものね、紀恵は。ほんと羨ましい・・・」

すると紀恵が
「そうでもないわよ。家族が居ないから食事や身の回りのことを全部自分でしないといけないし、食事も一人ぼっちだし、時々は寂しくなるわよ・・・やっぱり」