由紀たち三人と、お婆ちゃんたち三人ずつが、それぞれの部屋に入り、テレビを見ながら一服していると、夕方のニュースが始まり、その冒頭で上海を出航してアメリカへ向かっていた大型コンテナ船が東シナ海で消息を絶ったと言っている。

発達中の低気圧の影響で、海が荒れていたそうで、その影響かも知れないが、今のところ原因は不明で船の捜索に全力を挙げているそうだ。

しかし、海が荒れているので捜索は難航しているそうで、現在の時点では手掛かりは無いと言っている。

その発達中の低気圧が、日本の南岸沿いを東に向かって進んで行くので、航行中の船は注意するように呼びかけている。

予報によると、この辺りの天気も明日は大雨の可能性もあり、山道での車の運転には注意しなければならない。

四国山地は険しく、山中の道は細く、くねっているので危険であり、その上に大雨となると視界が利かずに、相当危険である。

テレビを見ているうちに夕食の時間が近づいてきて、六人は食堂に集まった。

明後日までの予定は、昨夜、食事をしながら相談した時に決めているのだが、芙美子お婆ちゃんが由紀たちに

「さっき、天気予報を見てると、明日は大雨になるかも知れないので、運転に十分注意しなくちゃだめよ。とにかく、この辺りの大雨は半端じゃないわよ。特に四国山地の南東斜面は、昔から大雨で大災害が何度も起きているからね」

明日運転をする予定の勇太が

「そんなに凄いのですか」
と訊ねると