「私が、この杖を突いて、御蔵洞から出て、遠くの海を見た時、お父さんが私に手を振ってくれているのが、見えた気がして・・・」
話を、じっと聞いていた紀恵お婆ちゃんが、杖の宏と記してある所を見ながら
「そうかも知れないわねぇ。お父さんが理絵ちゃんを、見守ろうとしてくれているのかもねぇ」
と小声で呟くように言った。
由紀が
「私も、最初、理絵から教えられた時には、驚いたの」
そして真知子お婆ちゃんが
「大事に使って、ちゃんと結願して、納めないといけないね」
と静かに言った。
みんなは、また歩き出し、理絵が
「私が使っていた杖は勇太が使っているの」
とみんなに伝え勇太が
「そうなのです。僕が突いている杖が、もともと理絵が使っていた杖なのです」
と言い、杖を持った手を少し掲げた。
真知子お婆ちゃんが
「お四国めぐりを無事に結願して、三本一緒に納められれば、いいわねぇ」
と言い、紀恵や芙美子お婆ちゃんも頷いている。
ふと由紀が立ち止まり、後ろを振り向くと、遠くに見える太平洋の海が、キラキラと輝き広がっているのが見えて
「きれいねぇ」
と呟き、みんなも振り向いて、しばし眺めていた
午前中に二十七番と二十八番を打ち終え、昼食の後、二十九番国分寺に到着した。
話を、じっと聞いていた紀恵お婆ちゃんが、杖の宏と記してある所を見ながら
「そうかも知れないわねぇ。お父さんが理絵ちゃんを、見守ろうとしてくれているのかもねぇ」
と小声で呟くように言った。
由紀が
「私も、最初、理絵から教えられた時には、驚いたの」
そして真知子お婆ちゃんが
「大事に使って、ちゃんと結願して、納めないといけないね」
と静かに言った。
みんなは、また歩き出し、理絵が
「私が使っていた杖は勇太が使っているの」
とみんなに伝え勇太が
「そうなのです。僕が突いている杖が、もともと理絵が使っていた杖なのです」
と言い、杖を持った手を少し掲げた。
真知子お婆ちゃんが
「お四国めぐりを無事に結願して、三本一緒に納められれば、いいわねぇ」
と言い、紀恵や芙美子お婆ちゃんも頷いている。
ふと由紀が立ち止まり、後ろを振り向くと、遠くに見える太平洋の海が、キラキラと輝き広がっているのが見えて
「きれいねぇ」
と呟き、みんなも振り向いて、しばし眺めていた
午前中に二十七番と二十八番を打ち終え、昼食の後、二十九番国分寺に到着した。