1週間もすれば、学校には次第に慣れて新しい友達とも気軽に話すようになった頃。
ママは晩ご飯を食べてる最中にボソッと呟いた一言がキッカケ。
"引越し"なんて思ってもなかったから、急に"残る?"なんて言われて頭が混乱。
『残るって…ママは出て行くの?』
『ママ、再婚しようと思うの』
本当に急すぎて、思考がついていけなかった。
確かにママは最近あまり見ない男の人と連絡を取り合ったり、たまに家に来てたりもしてたけど……
まさか再婚なんてって。
『拓也、すごく桃を気に入ってるの』
拓也…ママの愛する新しい男の人。
何度か顔を合わせたが、結構人柄が良くて優しい人だとは思う。
けどあたしはパパを忘れられないよ?
『新しいパパになるの?』
『桃が望むなら……桃もパパって言う存在が必要になると思うの』