幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜



「んあっ…なつ……めっ…」


制服の裾を握りしめてくる


苦しいのか……?



ゆっくり唇を離した



「っは…はぁ―…はぁ―…」



空気を吸い、呼吸を整えている




「もぉ―!何するのよ!」



「キスだけど?」



「っ//そうじゃなくて!」



「口直し。アイス甘過ぎだったし」



「だからって…」って呟きうつ向く花音




あぁ―…こういうところが可愛いんだよな―



「ここ外なんだよ!誰か見てたらどうするのっ?!」


頬をちょっと膨らます





「ふぅ〜ん。外じゃなければいいんだ♪」


「ちっ//違う!///」



「んじゃ親にも公認の仲になったし……、俺の部屋、行く?♪」



「っっ///行かな―いッ!」



そう言ってアイスを持ったまま立ち上がり、走り出した



ふっ…。



――ギュッ



走っていく花音を、後ろから抱きしめた



「逃がすかよ。」



「なっ//」




逃がしてたまるか……



やっと手に入れたんだ……







「ずっと逃がさねぇからな」


「っっ///」




“幼なじみ”だったから、素直になれなかった俺たち……


“幼なじみ”だったから、1番近くにいれた俺たち……







これからもずっと…永遠に………




1番近くの“恋人”で……。



☆End☆






完結♪完結♪



やっと完結ですっ♪



なんかいつもより長く感じた作品だったような―…



気のせいかな?



今回の作品は近い存在なのに、近ければ近いほど素直になれない2人を描いてみました(^^)d



幼なじみという存在は人によって重さは違いますが、大切な存在だってことは皆さん変わらないと思います。



幼なじみがいない方でも、周りにはきっとあなたの大切な人がいるはずです。



そんな当たり前のことが大切だな。ってことをわかってもらえたら幸いです。





さて、今回、皆さんから応募しました、新作の名前を決めさせていただきました。



皆さん本当に素敵な名前ばかりで、悩みに悩みましたが、新作のイメージにあった名前を選ばせていただきました。



主人公【男】・歩(あゆむ) →莉依亜サマ、塩なちサマ


主人公【女】・胡桃(くるみ)→Kqhochanε`サマ



まだまだ友人や登場人物の名前でも、皆さんからいただいた名前を使わせていただきますので、ぜひ見てください(^_^)/



新作【◇恋人契約◇】は7月25日公開ですっ!


ぜひ見てみてください(o^-')b




本当にありがとうございました☆



7月21日 sAkU


7月22日 おまけ追加→




[花音Side]



「……あの、そろそろ離して?」



さっきから後ろで抱きしめたままの棗



「なんで?」



「いや…、なんでって…」



いくらここが人通りから離れた公園でも、たまに歩行者が公園脇の歩道を通る



そしたら確実にこの状況は丸見えでしょ?!



「と!とにかく離して!」



「……そんなにイヤ?」



「……えっ」



耳元で聞こえた悲しそうな声



「…そんなに俺に抱きしめられるのイヤ?」



「そ…そうじゃなくて…、棗に抱きしめられるのがイヤなわけじゃなくて、その…場所が…」




さっきまで強気だった言葉も、棗のあんな悲しそうな声を聞いてしまったら、しどろもどろになってしまう



「…ふぅ〜ん。場所の問題かぁ〜」



へ…っ?



バッと首を回して棗を見ると、ニヤリと笑った棗の姿






「ッッ!!」



騙された!!



「じゃあ、やっぱり俺ん家行くか。あそこなら誰にも見られることはないし♪」


「い、イヤ…。行かないから」



「恥ずかしがるなって♪」



ヤバい……



確実にヤバい……



これは身の危険を感じる…


「と!とにかく今日は自分ん家に帰……んっ」



『自分ん家に帰る』と言おうとした途端に塞がれた唇


「ちょっ…棗っ…」



「……黙って」



黙ってられるかぁっ―!!


「なつ…めっ…」



そんなことを考えているうちに、ちゃんと向き合った形でキスしてくる棗



「棗っ…やめっ……ふぁっ―…」



どんどん深くなるキス




深くなるにつれ、あたしの思考が崩れてくる



「んあっ…はっ……」



甘い甘いキスに溺れていくあたし



……もう何も考えられない―…



「あっ…なつめっ―…っはッ……」



やっと離れた唇



でも身体の力が入らず棗に寄りかかってしまう



未だに視界はボヤけ、立っているのが精一杯





「……花音…。俺ん家行く?」



耳元で囁かれた言葉に身体がゾクッと反応した



いつもそう―……



キスをされたら何も考えられなくなる―…





「なっ?」



そんな優しい瞳であたしを見ないで……



「行こ。」



そんな甘い言葉で話しかけないで―…



だってそんなことされたら、あたし―……



「……うん。」



また溺れてしまう……




「ふっ、可愛い」



「っっ!///」



柔らかく笑う棗を見ると、何でも許してしまいそうになる











これが惚れた弱みってやつなのかな……?







◇おまけEnd◇





4月25日に文庫化が決定しましたっ!


文庫化にあたって『幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー』というサブタイトルを付けての発売ですっ!



文庫本には文庫だけの特別編を載せています(^-^)/


特別編では棗と花音のその後について書いていますので、見てくださると嬉しいですっ♪



本当にありがとうございました!


これからもsAkUをよろしくお願いしますm(__)m