【伝説の開始ー8】


急いで
家のドアを開けると、
白井の姿は
どこにもなかった。






「しまった!!!」





白井は
見事田崎を騙したのだ。






一階の窓は戸の近く
なので、
ここの窓から出る
わけにもいかない。






ここから逃げたら、
外で雪かきをしていた
田崎に
ばれてしまうからだ。






となると
二階からか………!!






田崎は
急いで二階に駆け上がる





しかし、
もう10分以上も
経っている。




もういるはずもない。






二階の手前にある
田崎達の寝ていた
部屋を開けたが
誰もいなく、
窓も閉まっている。





なら
隣の小川達が
寝ていた部屋に
違いない。







それは
前に白井が
逃げようとした
部屋である。






もはや
諦めた感じで
ドアを開けた。






「な………!!」






すると、
田崎にとって
驚いた光景が
目に入る。






なんとそこには、
逃げたと思った白井が
居たのだ!!






白井が窓の淵に腰かけ
こっちを見ていた。





「よ、遅かったな。」





と白井は言ったが、
田崎は俄然驚いている。






「どうした、
何をボ~っとしている?」






「お、お前逃げたん
じゃなかったのか?」





「逃げてないから
ここにいるんじゃないか

やはり歳でボケたか?」





と白井は
ニヤニヤしている