【伝説の開始ー6】


玄関だけの雪かきと
いっても、
雪はかなり積もっており

重労働になりそうだ。





一つスコップに雪を盛り

持ち上げると
何キロあるのだろうか?





それを繰り返すほど、
田崎の体力は
もうないのである。





しかし、
それでも雪を少しずつ、
少しずつかいていく。






「まったく、
張り込みを
やっていた方が
何倍もマシだな」






と田崎はぼやいた。





田崎は
よく一人になったり、
静かな場所だと
考え事をしやすい。





そうすると、
当然大久保たち三人が
心配になる。






何といっても
川上は銃を構えて
いたから、

雪男と間違えて
あの3人を誤発しない
だろうか?






それが
一番の心配である。





「雪男を捕まえる為
………か」






第一
そんな犯人は
まだこの山に
うろついているの
だろうか?






特徴は
大男でバカ力の殺人狂。




それしか分からない。






だが、
もしそんなのが
本当にまだこの山に
いたとしたら、

こうして
雪かきをしているのも
警戒しながら
しなければならない。






すると、
雪の向こうに影が見えた





よく見ると、
何者かが近付いてくる
ようだ。






「まさか………」