そんな私を妖艶に微笑みながら見つめる佐和さん。
胸がギュッと苦しくなった。
「その表情…お兄ちゃんにそっくりです。」
やっぱりお兄ちゃんと佐和さんは繋がっているんだって思える瞬間で、
「空の上で過ごした時、お兄ちゃんも佐和さんと同じ表情をしていました。」
彼の頬に掌を当てて私も見つめ返した。
「紫衣はやきもち焼かせて楽しんでるのか?」
なのに佐和さんはなんだかガックリと肩を落として私から視線をずらしたんだ。
佐和さんの言葉の意味がわからない私は首を傾げるしかなく、
「よっちゃんにも三成にも紫衣は渡さねぇから」
彼の言葉と触れるだけのちゅっと音をたてる口づけに胸がまたギュッと苦しくなった。
やきもち焼いてくれる彼の気持ちが嬉しくて、
「私も佐和さんじゃなきゃ駄目です。」
とても素直に気持ちを口にする事が出来た。
見つめ合い、佐和さんの顔が近づいて彼の吐息を感じた私はそっと瞼を閉じて彼の口づけを待つ。
触れる瞬間痺れるように甘い電流を感じて体の奥底から湧き上がる熱を感じる。
「佐和さんの口づけ、すごく好きです。
初めての時からずっと…。」
口づけの余韻に浸りながら言葉を紡ぐと、
「それは光栄だな。」
さっきまで不機嫌だった佐和さんは満足そうに笑って言った。
「これからはずっと俺しか紫衣には触れないんだから俺も紫衣を飽きさせないように精進しなきゃな。」
ニヤリと意地悪な笑みを浮かべながら私の唇にペロリと舌を這わせる佐和さん。
私は彼の言葉と行動にドキドキしすぎて何も言えずに俯いた。