涙が止まった私の目元を指でなぞりながら佐和さんは優しく微笑んで、


「俺も困惑してたんだ。本当にごめん。」


両手を顔の前で合わせて頭を下げる。


私は佐和さんに首を横に振って応えた。


きっと島田さんからのメールで佐和さんも驚いたんだろう。


それに何も知らされてなかった私より計画を勝手に変えられた佐和さんの方が驚きは大きいはずだ。


「島田の奴、逢ったらただじゃおかねぇ!」


私を抱きしめたまま声を荒げる佐和さん。


佐和さんにしたら珍しく怒りはなかなか治まらない様子で、


「いったいメールにはなんて書いてあったんですか?」


触れないでおこうと思っていたのについつい口にしてしまった。


「言いたくねぇ…。
けど、ほら。」


差し出された携帯。


画面を見た私は絶句した。