その日の学校の帰り…
ママからソースのお使いを頼まれて近くのスーパーに行った。
直也に頼めばいいのに、
何故か私が頼まれた。


『ソース…ソース』

いつものソースを手に取り、レジに向かおう最中、私の目がリアル響様を捉えた。

『あ、ひびっ…』

リアル響様の横には小さくて可愛い女の人がいる。
その女の人の頭を優しく撫でて、買い物カゴを持ってあげた姿は流れるような…それが当たり前のようなもので……何故か胸が苦しくなった。


「遊君、ありがとう」
「気にしない、香奈ネェ」


聞いたことないような甘い声で名前を呼ぶ、風間 遊

…初めて私は響様に被せなかった瞬間だった。