『直也…私、別に』
「奈緒は黙ってろ」

一口あげてもいいよ?
私の優しいお言葉は針のようにトゲトゲしい直也の言葉に遮られた。
……黙ってろって
私のハンバーグなのに



「奈緒に遊先輩は勿体無すぎるんで、奈緒が勘違いするような事するのは止めてください」

『勘違い?』

「勘違いじゃないかもしんねーよ」

『え、何が?』



異様な雰囲気についていけない。
二人とも主語を付けて会話しないと何のことだか分かんないじゃないかっ!!!!





「奈緒ちゃん」

『はい?!』

「チーズ in ハンバーグは食べてみたいけど…我慢するから、一緒に食べていい?」
急に話しかけられてビックリする私に構わずにそのまま柔らかい笑みを浮かべて聞く、リアル響様


『一口も要らないんですか?』

「くれるの?」

『……うぅ゛~』