『夢、どーするの?! 怒られるよ? 下手すると喰われるよ?』
「あんた先生を何だと思ってるわけ?」
『あっ! バナナあげたりしたら許してくれるかもしんない!!!』
「ゴリラなのは否定出来ないけど…それは逆効果だと思うよ」
パニクりながら、半泣きで焦る私の頭を優しく撫でる感触がした。
「奈緒ちゃん、ごめんな? 呼び止めちゃって…俺のせい」
『え、や…あのっ』
どーしよ!!!
リアル響様の手が………手がッ
私の頭を撫でている!!!!!!
「遊。…ごめんとか言いながら口元、笑ってんじゃねーかよ」
「いや、悪いとは思ってんだけど…奈緒ちゃんの反応面白くてさ」
「余計にタチが悪ぃよ」
この会話は私には全く聞こえていない。
何故なら……
思考が停止した上に
響様が出てくる乙女ゲームの一部シーンが脳内で流れていたからだ。