「なぁ…ヤバいぞ、奈緒」
『ん?』
直也の手にはサッカー雑誌…
あたしの手にはこの前の戦利品である乙女雑誌…
「遊先輩が選抜に選ばれたんだって!」
『誰よ。その“遊”先輩って』
「あぁー… 奈緒に言ってなかったな」
『?』
「リアル響様は遊先輩なんだよ」
『え…』
停止してしまった私を訝しげに見る直也
『“響”じゃないの??』
あんなに似てるのに?!?!
な、なんでっ?!
駄目だって(何が)
“遊”って何っ?!
“響”でしょっっ?!?
「あのな…奈緒」
可哀想な目を向ける
我が弟
「遊先輩は現実の人物だ。お前は妄想と現実を区別出来なくなっている」