私が笑えば貴方も笑ってくれる。
なんて幸せな連鎖なんだろう。
「もう一つ、君にプレゼントしたんだけど気付いた?」
極上の笑顔でそう言われ、首を傾げた私の両手を包み込むように握り、私の目の高さまで持っていく。
「……あ、」
「今度、奏多が欲しいのを買うから今はこれで我慢してくれる?」
自分の両手に視線を移せば、今まではなかったはずのモノが指にはまっていた。
「似合うよ、すごく。」
左手薬指にはプラチナの指輪。小さいピンクダイアが全体に散りばめられたそれは、キラキラと光を反射しながら存在感をアピールしている。
「…これが良い、他はいらないっ」
これ以上、私を夢中にさせないでください。
これ以上、貴方に夢中になったら私は私じゃなくなるんじゃないかって不安になる。
二つのサプライズプレゼントは、これから先の幸せを全て詰め込んでも余るくらいの嬉しすぎるプレゼント。
「じゃあ、その指輪を嵌めて、すぐに行こうか。区役所に。」
「っうん!」
光を反射する嬉しいプレゼントと、これから先の幸せと、私に貴方と同じ姓を名乗らせてくれるようになる一枚の紙。
躊躇いなんて何一つない。
あるのは、貴方とこの先を共に過ごせる極上の幸せだけ。