「あーあ…私も彼氏ほしくなるわね。」

「妃毬ならすぐできるよ。」


拓海さんとの電話を切り、席に戻ればにんまり顔の妃毬に弄られ続けて、午後6時を回った辺りでカフェを出た。


「………嫌味?」

「そんな訳ないじゃない!」


嫌味なんかじゃなくて、妃毬ならきっとすぐに彼氏だってできる。
背が高くて、顔立ちだって日本人離れした綺麗と言うか可愛らしいな顔立ちだし、何よりスタイルだって抜群。
親友の私から見たってすごく可愛らしい女の子だもん。

まぁ、多少の男遊びに目をつむれば文句はないはず。


「どっかに良い男でも落ちてないのかしら!」

「……妃毬…」


流石に落ちてはいないと思うし、その言い方には間違いがあるような気さえするけど。

カフェから同窓会をするショットバーまではそんなに距離はない。
貸し切りとは言わなくても大多数のフロアを占めてしまうはずなのに快く了承してくれたマスターは私もよく知っている。


夜はショットバーだけど、昼間は普通にお食事ができるこ洒落たカフェで、高校の時に何度も足を運んだことがある。


「マスター、元気かな?」

「あのマスターが死ぬとか考えられないから!」

「そうだね。」


美樹に会うんじゃないかって不安で行きたくなかった同窓会も今は少しだけ楽しみ。
たった二年しか経ってはいないけれど社会人だったり学生だったり、みんな違う道に進んでいるから会う事もない。

二年振りの友達はどうなっているのか、少しだけ楽しみ。