真っ暗な闇の中に感じるのは熱い吐息と心地好い重み。
「ぁ…たく……ふ、ぁ」
「か、なた…愛してるよ…」
私から求めた熱。
頭も心もいっぱいいっぱいで、それはきっと昔傷付けてしまったあの子を思い出したから。
今だけは頭からそれを消したかった。押し潰されそうな罪悪感から逃げるように拓海さんに求めていた。
「拓海さ……たくっ」
「此処にいる…大丈夫だ。」
揺さぶられる身体で必死に繋ぐ意識の片隅で、もしかしたら拓海さんは私が求めた理由を知っているかも、なんて考えた。
理由はわからなくても逃げるために求めた事はわかってしまっているかもしれない。
カーテンの隙間から覗く外の世界は現実なのかそうじゃないのかすらも今はわからない。
私にとっての現実は拓海さんで、今となっては真実すらも拓海さんで成り立ってしまう。
私の上にいる拓海さんの額にうっすらと浮かぶ汗が甘美なもので、それすら愛しい。
「っ…たく……好きっ」
ギシギシと悲鳴のように鳴いているベッドが情事の激しさなのか。
まだまだバージンのような私には痛みすら感じても、今は優しい愛撫よりは良い。
もっと、もっとと欲張りな私が拓海さんを求めてしまう。
拓海さんの首に両腕を伸ばし、自分から唇に吸い付く。
押し付けられた場所からは恥ずかしいくらいに厭らしい水音。
それをごまかすように口付けを。
それでも、すぐに拓海さんのペースになってしまうんだから。
もっと、もっと…何も考えられないようにワタシを壊して。