上手く伝えられるかなんてわからないけど、
「わたし、」
「うん。」
「自分でも信じられない位に、貴方が好きなの…」
どう言えば、貴方にすべてを伝えられるのかな。
すべてを伝えるには私は子供すぎるのかもしれないけれど、それでも貴方に一つでも多く私の気持ちを伝えたい。
「私…拓海さんから見たら子供かもしれないけど、でも拓海さんが大好きなのっ」
「うん、ありがとう。」
「だから、だから…子供とかまだよくわからないけど、拓海さんなら良いの。」
言いたい事が言えたかは自分でもわからない。
けど、貴方のその優しい、嬉しそいにはにかむ笑顔で伝わったって思ってもいいのかな。
「奏多。」
「は、い…」
「結婚はまだ考えなくて良いとは言ったけど、結婚しよう。」
ベッドに寝たまま、しかも裸で肌をくっつけたままでの所謂、プロポーズに私は呆然と拓海さんを見つめるしかなかった。
「年の差もある。家の事もある、だからもしかしたら奏多は躊躇うかもしれない。」
腰に回された腕に力が入って、ピタリと素肌がくっつけられる。
拓海さんのダークブラウンの瞳が真剣で、それでも優しい色を燈している。
「それでも、俺は奏多じゃなきゃダメなんだ。奏多以外はいらないんだ。俺の隣に一生いてほしい。」
優しい優しい音色がなんの躊躇いもなく染み込んできた。
「結婚しよう、奏多。」
どうして貴方はそんなに私を喜ばせてくれるの?
私は貴方に何かしてあげられる?
何かを、貴方に返してあげられるのかな。