実家って拓海さんの実家?
両親って拓海さんの両親?
当たり前の事をグルグルと考える私の頭に大きくて安心できる手が触れている。
「奏多?もし嫌なら…」
「嫌じゃなくてっ…私なんかじゃ拓海さんが恥ずかしいんじゃないかって…」
ごにょごにょと濁しながら話す私に拓海さんは苦笑を浮かべて私を見ている。
きっと、私は不安なんだ。
拓海さんとお付き合いしているのを誰よりも信じられていなくて。
もしも、拓海さんの両親に相応しくないって言われたら納得してしまう。
「奏多、奏多はすごく素敵な子だよ。俺が選んだんだ、両親だろうが誰だろうが絶対に何も言わせたりなんかしない。」
「拓海さ、ん…」
「だから奏多は心配なんかしなくて良いんだ。奏多は何があっても俺が守るから。」
当たり前のように私を包んでくれるような言葉、甘えてもいいんだろうか、なんて思う気持ちとは裏腹に身体はすごく正直な私。
本当に私なのかな?って思う位に大胆に拓海さんに抱き着いて広い背中に腕を回していた。
「絶対に、守るから。」
「はい、」
「奏多…愛してる」
耳元で囁かれる愛の言葉は腰が抜けるくらい甘い甘い声。
痛いくらいに抱きしめてくれる逞しい腕は安心するには十分すぎるくらい十分で。
クラクラとする頭でふと考えられるのは、拓海さんだけ。