遥かな闇の底から浮かび上がる感情

怒りとも悲しみとも
憎しみとも虚しさとも違う
なのに懐かしい

脳の奥の錆び付いた想いを
静かに、強く揺さぶる

初めて知るはずのものなのに
遠い昔から知っていたような感覚が僅かにある

誰も知らないはずのものなのに
自分だけは詳しく知っていたような感覚が微かにある

記憶の中枢で疼くこれは?

絶えず形を変え続け、変え尽くす
けれどいつまでも変わらないもの

それは時に
太陽の光の粒子であったり
透明な水の歌声であったり
止まることのない時間の流れであったりした

闇から生まれた幾つものカタチ、あるいは存在
それらが意味するものを考える時間は、まだあるはずだ

ひとつだけ解っていることは
「鍵はきっとそこにある」