そう、人類が生まれるよりも遥か遠い昔に、その光は放たれたのだ。

人はその光を見上げた時、やはり無感情なのだろうか。
それとも、やはり何か考えるところがあるのだろうか。

けれど星たちにしてみれば、そんなことはどうでもいいことなのかもしれない。

そして、そんなどうでもいいことが積み重なり折り重なって、未知というものが形成されるのだろうか。

宇宙というものが形成されるのだろうか。

そしてその宇宙には、果てがあるのだろうか。
 
思考さえも追いつけない、何も無い闇。

絶望的ともいえる闇の中。

けれどその闇があるから私たちは存在することが出来る。

それは子宮の闇。

すべてを孕み、産み落とす。

幾億の光年を隔てたその先で、新たな星がまた産まれようとしていた。
 
それは私にとって次の命を見据えるための鍵だった。