『どうしたの?』 匠は優しく手当てをしながら聞いた。 『お兄ちゃん……。』 愛は呟いた。 『お兄ちゃんって 勇太さん?』 こっくりとうなずく。 『そっか。』 けれど 匠はそれ以上追求しなかった。 愛が困った顔をしていたのだろう。 『はい、終り。』 匠は手をはなした。 『あ、ありがとうございます』 さっきまで匠が触れていたところが赤く染まる