『俺の部屋でまってて。』

部屋に通された愛は
床に腰掛けた。


机とイスとベッドとテーブル
必要最低限しかない家具だったけど
匠の香りがした。



優しい、優しい。



小さいころお母さんに
抱き締めてもらった時の香り。




『お待たせ。消毒しよ。』

匠は愛の横に座ると
消毒しはじめた。


『しみるけど我慢してね』



愛は全然平気だった。
しみるより匠の指が頬に振れる事が
ドキドキしてしかたがない。