本当は


言わなきゃいけなかったんだ。




『族から抜けろ。お前の世界とこの夜の世界とでは違いすぎる。』と。




でも

健が喧嘩のたびに
堅苦しい世界での鬱憤を晴らしていて
楽しそうにしているのを見ると

言えなかった。




いや、言いたくなかった。


だって、大事な仲間だったんだもの。