Gold Angel〜不良校のシンデレラ〜1








俺は「健」と言われた奴を見た




スーツを着た


たぶん、俺らと同い年の男







コイツは

水城とどんな関係だ?






なぜ、水城はコイツを見て
悲しそうな


苦しそうな



何かに耐えるような顔をしてる?







そんなコトを考えてると



『…ごめんなさい。』







そう言って

水城が逃げるように走り出した







「おいっ!水城、待てっ!」



俺は水城を追いかける
















追いかけたけど……。





水城、俺よか速いんだった!!!








とゆーわけで




見失ったよ






悪いか←(八つ当たり)













水城、何かあったんだろーな



健ってヤツと






悲しそうな顔だった






クソッ!




俺はいつも水城のそばに居たのに





好きな女1人すら笑顔に出来ねえ











そんなコトを考えてたから……



気づかなかった






まさか、後ろをつけてたヤツがいたなんて










――――ドカッ!





「うっ!?」


俺は頭に鈍い衝撃を受けた







殴られたのか……


















身体を支えきれなくて
俺は倒れた





殴ってきたヤツを見ると







「悪いね。キミには人質になってもらう。
〈火炎〉総長、"炎狼"さん?」






確かコイツは……





〈紫雲〉総長……か。






そう、コイツは体育祭のときに

水城にボコボコにされたヤツら







ってか人質?





まさか……


俺等の族を潰す気か?











つーかヤバい…


頭の中が真っ白になってくる




俺はそのまま意識を手放した

















「俺等にとっちゃ、喜劇。
お前等にとっちゃ、悲劇の始まりだ。」







〈紫雲〉総長が

悲劇の幕開けを告げる―――。













〜水城side







『はあっはあっはあっ……』



苦しい……








走ったからなのか


罪悪感から来るものなのかは分からないけど







胸が締め付けられてるように苦しいんだ












〜♪〜♪♪〜♪♪




私のケータイが着信を知らせる






………那智からだ。






『もしもし?』




〔水城!?大変だ!真弥が……!!〕








え?




真弥?





『真弥が、どうしたの?』





〔………。拉致られた。2丁目の空き倉庫に。〕















いつだって





悲劇は突然














――――ピッ



ケータイを切ってまた走り出した









2丁目の空き倉庫に











―――――――
――――― ――――――――――――――――









『ここか』





今、2丁目の空き倉庫前








――――ガシャーンッ!





扉を蹴飛ばして中に入る









目に入ったのは





縛られて





頭から血を流している真弥















嫌でも思い出す






頭から血を流して倒れていた健を……。



















「こんにちは。"金蝶"さん?」




『テメェ……。誰だよ?』




「………。えっ!?覚えてないのかよ!」





は?




あっ!!


思い出した!







『体育祭のときのナンパ野郎だ!』





「俺らはそんな印象しか残ってないのか!?」





そりゃあ……







『当たり前だな』
















「まあいい。さて、と。」




『…………?』






なんだ?







「潰させてもらうよ。君らの族。」




―――ザッ



『…………!』









囲まれた





約500人………か。








〈金天使〉、〈炎狼〉、〈黒竜〉は、後で来るだろう








それまで







やるしかない……か。
















かかってくるヤツらを倒しながら考えた








クソッ!









私は



健に会って動揺して





逃げて
逃げて







………何をしてんだよ私は!









何のために全国No.1になったんだよ!








強くなって………





仲間を守るためだろう!


















なのに……






また、守れなかった













健に会って動揺したのは
















きっと私が弱いままだから