「ねえ、彩。」

パラパラとマンガを読みながら
聞く。


「彩の好きな子って誰?」

―――パタ

彩の手が止まった。



「絶対言わねぇ。」

「なんでよ。
私ママみたいに口軽くないよ?」


「....知ってるよ。
でも姉貴には絶対言わない。」


ぶすーっと私は彩をみる。
もう彩の手はマンガをめくってない。

「じゃあ、嘉穂とか?」


「違うし。」



「うーん。」