「.....あ。」
彩だ。
向こうから歩いてくる学ラン二人組。
片一方、間違いなく彩だ。
彩も来てたんだなぁ...。
「どうかした?」
「ううん、なんでもない。」
多分、彩は気づいてない。
私がここにいるの。
そうやって通り過ぎようとしたとき
―――バチっ
目があった瞬間
私は思わず燈哉くんと繋いでいた手を離してしまった。
案の定燈哉くんはポカンとしてる。
「ご、ごめん。
なんか寒気しちゃって...」
手をまた繋ぎ私はいった。
「そっか、もうそろ帰ろっか。」
そのまま私達はぎこちないまま
ショッピングモールを歩いていった。
彩が見てるとも知らずに。