ヨシが翔を担いであたしの部屋に運ぶ。

ベッドの下に布団を敷き、そこに翔を寝かせた。

久しぶりに見た翔の寝顔は、小さい頃と何も変わっていなくて。

いつも後ろの席から寝ている翔を見つめながら、顔の見える場所に移ることを夢みていた。

見ているだけどこんなにドキドキするのに、
絶対に触れられない。


「とりあえず起きるまで寝かしてやろう」

「あ、うん」

もう少し眺めていたかったなんて、死んでも口にしてはいけない台詞だね。

翔が起きないように静かにドアを閉めた。