クリスマスイヴ。
あたしの家でパーティーをやることになった。

パパとママは2人で旅行に行っていていないから、本当に4人だけで過ごす。

どうしよう。
うまく笑えるかな。

まだ誰も来ていない部屋の中で、鏡に向かって笑顔の練習をする。

ママが手作りしてくれた料理やケーキを前に、買い出しに行っている翔とヨシを待つ。

せっかく翔と過ごせるクリスマスだもんね。
楽しまなきゃ。

身体の冷えた2人を温めるために、暖房を強くし、スリッパも温めた。

ライトアップしたクリスマスツリーを玄関に飾り、自分の部屋に戻ると、棚に並べた香水を手に取った。


普段使い用、デートの日用と、日によって香りを変えるようにしている。

香りを変えることで、自分なりに気持ちを切り替えようとしているのかもしれない。

「今日はこれかな」

学校にはつけていかない香りをセレクト。


それから鍋の準備をしようと戸棚から土鍋を出していると翔とヨシが帰宅したようだった。

急いで玄関に行くと、寒そうに肩をすくめる翔とヨシが立っていた。