「そうだよね。やっぱり別々に行こうよ」 あたしはヨシの制服の裾を強く引っ張った。 「俺もそっちのほうが嬉しいわ。寝坊できるしな」 そう言った翔を、また少し遠く感じた。 翔が、どんどん遠くなっていく。 手の届かないところまで。 歩き始めた翔の後を歩くあたしとヨシ。 「これからは2人で通えるな」 耳元でヨシに囁かれ、あたしは「そうだね」と笑った。