小学生。
それはまだ本当に幸せなときで、友達とか恋愛とかの区別なんてなく、ただ純粋に翔が好きだった。

翔を男の子として“好き”だと実感したのは、きっとあの運動会から。

幼なじみの翔を、恋愛対象として見るようになった。

それでも仲良し3人組を壊す勇気はなくて、心の奥に思いを閉じ込めることにした。

いつかこの気持ちはなくなるのだと、また友達としての好きに戻るのだと、信じていた。


それなのに、中学生になっても思いが変わらない。
それどころか、ますます強くなっていく。

限界かもしれないと、そう思ったある日。

「あたしね、翔くんが好きなの」

それは、突然言われた友達からの告白だった。