部屋の前にうずくまる俺の前に、息を切らした早苗が現れたのはそれからすぐのことだ。
「翔、大丈夫?」
左手に握られているペットボトル。
早苗は蓋に手をかけキャップを外すと、俺の口元にそれを近づけた。
酔っていたから。
それはただの言い訳にしか過ぎないことくらい、こんな俺でもわかっているさ。
だけど
もう、どうしていいのかわからなかったんだ。
梓はヨシが好きで。
ヨシは俺の親友で。
叶わない。
どんなに思ったって、この思いは一方通行なんだ。
辛いんだよ。
苦しいんだよ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…