一番居合わせたくない現場だった。 「ははっ」 まさかヤリ出すとはな。 乾いた笑いがこみ上げる。 相変わらず頭は痛く、それに加えて吐き気がする。 俺はダイニングに行くと、残っていたワインを瓶のまま口に運んだ。 赤いワインが、口から溢れ出す。 体が熱いのはアルコールのせいなんだと、自分にそう言い聞かせた。