「梓も協力してくれるよね?」 「うん。もちろんだよ!付き合えるといいね」 梓がどんな顔をしているかなんて見えなくて、 俺が今、泣きそうになっていることも、誰にもわかってもらえない。 やべー。 これはけっこうダメージでかいな。 力の入らない体を無理矢理動かし、ヨシの待つ部屋に戻る。 「鍋できてるぞ!」 土鍋を両手で持ち上げながら笑顔でそう言ったヨシに、 俺はうまく笑えていただろうか。