心とは裏腹に、街中がクリスマス一色に変わった。

彩られた木々たちは、人工的ではあるけど、一年に一度の輝きをみせる。

サンタクロースの格好をしたアルバイトの若者が、道行く人に声をかけている。

俺は白いダッフルコートに身を包み、ヨシと街に買い出しに来ていた。

今日はイヴ。
約束通りにパーティーは決行されるようだ。

すれ違うのは手をつないだ幸せそうなカップルばかり。

俺の手には大量の荷物。隣にはヨシ。

ちくしょー。
惨めじゃねーかよ。

「あとは酒だな」

飲まないとやってられねーよと、俺は付け加えた。