おれは大学の階段を駆け上って、
里美のパンチを交わした。

「もぉ〜!」

「もぉーじゃねぇーつうの、いい加減何企んでんのか教えろ」

おれがそう言うと、
膨らませていた頬をしぼませて、
歯を見せた。

「何その不気味な微笑みは」

「トークパレット行けばわかるよ」

そう言って、
里美はおれを追い越して、
すたすたと階段を上っていった。