電車からおりて、
おれは改札口に向かった。

すると、

「健一!」

後ろからおれを呼ぶ声がかすかに聞こえた。

「健一ってば」

今度は鮮明に聞こえた。
おれは足をとめた。

振り返ると後ろには里美が立っていた。