「元の世界にはいつ帰るんだ?」

「決めかねている」

 ボナパスを倒し、要石は安定した。

 けれど、リュートたちに話した疑念はまだ払われていない。人造物であると推測しているが、確証がある訳ではない。

 知らない世界なのだ、ああいう生物がいたとしてもおかしくはない。そう思いながらも、小さな棘のように何かがひっかかっている。

 彼らを還らせ、探索は私のみで続けた方が良いだろうか。あれが試作だとするなら、次はさらに強力になっている。

「セルナクス」

「なんだ?」

「生物を造り出す事に長けた者か、種族は存在するか」

 その問いかけにセルナクスは怪訝な表情を浮かべる。

「昔ならいたかもしれないが、今は禁止されている」

「そうか」

 すでに成功している過去があるという事ならば、それらの書物は残されており、ボナパスは短期間で作成された可能性がある。