半魔族であること。さらに、今まで受けてきた数々の傷が、彼女に想いを打ち明ける事を頑なに拒んでいた。

 彼らの世界──地上界ウォルシードでは、青は慈愛の女神の象徴とされている。故に、空色の髪の乙女は女神の加護を受けた者と云われている。

 リュートにとってティリスは本当の女神だ。おてんばで、時には困った行動をとるじゃじゃ馬女神はいつもリュートを惹きつけて放さない。

 この命を投げ打ってでも護ると誓った。彼女の前では自分が魔族である事など、どうでもよかった。

 それなら素直に想いを告げればいいのに──という事は別の話でもある。



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ちゅう‐たい〔チウ‐〕【×紐帯】
1 ひもと、おび。転じて、二つのものをかたく結びつけるもの。
2 血縁・地縁・利害関係など、社会を形づくる結びつき。