-数時間後


あたしたちは田んぼのド真中に立っていた。


「ここ、どこ?」

「俺の実家の近く。」


本当にド田舎なんですけど!!!

話には聞いてたけど…ここまでとは。


「行くぞ。」


そう言って、手を差し出す勇士。


「う、うんっ。」


あたしは勇士の手を握った。


うわぁ~、緊張するなぁ。


歩くこと数十分、目の前にはボロボロで小さくて…なお家が。

これ、冬場寒さ凌げるのかな…。
この辺、雪降るよね?


「ここ。」


勇士はズンズンと中に入って行った。

え゛…あたし今最低な評価しちゃったばっかなんだけど!


あたしがお嬢様だからとか関係なく…これは無理!!

誰が見ても同じ感想間違いなしだよ!


「ばあちゃーん、ただいまー。」


そう叫ぶ勇士。

お家の中までなかなか…。


「勇チャン…!?」


そう言いながら奥から出て来た女の子。


「蘭…!?」


…どういうご関係で?


「いやだぁ~、しばらく見ない間に大きくなっちゃってぇ!
名前も売れて有名みたいだしねぇ~♪」


にこやかに笑うその人は、あたしたちよりも2つくらい年上みたい。
背はあるものの、童顔で、すごく幼い少女っていう印象を受ける。