-翌々日


「んじゃ、行って来ますっ!!」


あたしたちは4人に別れを告げて、学校を出た。


途中までは家の車が乗せてってくれるんだって。

竣クンと詩乃チャンに一応話したら、車手配してくれたんだ。


「勇士の実家ってどういう所?」


前に草原に行った時、こういう感じって言ってたから、田舎なんだろうなぁ。


「田舎。田んぼとか畑とかが広がる超のどかな所。」

「へぇ~、楽しみ!! あんまりそういう所とか行ったこと無いもんなぁ。」

「さすがお嬢様。」

「…??」


途中で電車に乗り変えて、2人ののんびり揺られてた。


「あ、そうだ。」

「?」


電車に揺られていると、不意にそう言った勇士。


「家行っても、両親いないから。」


サラッと言う勇士。


「ヘッ!?」


なんで!!?!?


「…結構昔に、離婚してんだよ。」

「…。」


そう言えば、前にチラッとだけ勇士のお家の家庭事情が複雑だって聞いたことがある気がする。


「だから俺は実質上、ばあちゃんに育てられたんだ。」

「そうなんだ…。」

「あぁ。」




あたしはこの時、思ってもみなかったんだ。



まさか、その複雑な家庭事情に巻き込まれるだなんて…。