あたしは勇士のパーカーを羽織ると体育座していた足の間に顔を埋めた。


勇士の匂いがする…。
なんでこんなに落ち着くんだろう。



やっぱりあたしは勇士が好きなんだなぁ…。


こんなところで実感するあたし。


「勇士…。」

「ん?」

「2人でどっか行きたい。」

「どっかって?」

「どっか。夏休み中に行きたい。」

「…。」

「ダメ?」

「考えとく。」


そうだよね、多忙な芸能人だもん。


あたし、何我が儘言ってんだろう。


「美希ー!! 泳ご!!!」


そう言って史也が呼んでる。


「うんっ!! 勇士も行こっ!」

「…おぅ。」


2人で海に向かって歩いて行った。


「冷たぁ!!」


体がかなり温まってしまったから、水が冷たく感じる。


「そこまで冷たく無いだろ。」


って千秋に言われたけど、そこはあえてのスルーで☆


「うひゃ~。」


気持ちい~ッ♪


「ね、競争しよぉ!!」

「競争~?? 俺めんどい…。」

「勝手にやってれば。」

「俺ちょっと競泳は向かないんだよね…。」

「…。」